枕の種類としてよく聞く「高反発枕」と「低反発枕」。しかしいざ枕選びを考えると「果たして自分にはどちらが合うのか?」は分からないものですよね。

今回は両者の違いと、あなたに合った枕を選ぶためにはどこを知っておけばいいかのポイントをお伝えします。

ちなみに、他の素材(いわゆる詰め物に使う「中材」)に関しての説明は以下の記事にまとめてあります。ご参考になれば幸いです。

※枕の素材として有名な「高反発ウレタン」と「低反発ウレタン」ですが、理論上は「ウレタンではない高反発枕もある」ということで、本記事では特にウレタンに限定して記載してはおりません。

高反発枕はどんなもの?

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高反発は、一言で言うなら「他の種類の枕のいいとこ取りをしたような存在」です。

反発力が高いので頭と首をしっかりサポートしつつも、過度な沈み込みがないため寝返りも打ちやすく、パイプ系素材(※)などに代表されるような適度なフィット感も大切にされています。

※ パイプ系素材とは、ポリエチレンパイプというストローを細かく切ったような中材(詰め物)の種類のことです。枕の中材について紹介している記事もありますので、ぜひご参照ください。

高反発枕は低反発枕とは違い材料(中材)の種類が比較的多く、主に「高反発ウレタン」「高反発ファイバー」「高反発ラテックス」などがあります。「そば殻」などは反発力が高いのではなく「単に硬い」ので非該当です。

高反発枕のメリット

高反発枕の良いところは、その反発力の高さによる「高い姿勢維持能力」です。

一度決めた頭と首の位置がズレることが基本的にありませんので、適切な就寝ポジションを一度設定できてしまえばずっとその正しい姿勢で寝続けることができます。

それでいてそば殻のような「単なる硬さ」ではなく適度なフィット感、サポート性もありますので、寝心地は大変良くなるでしょう。

肩こりや首の痛み等で悩んでいた方が、特に何も考えず高反発枕に変えただけで大きく改善された、というケースもたくさん存在しています

高反発枕のデメリット

反発力が高いということはそれ即ち、自分の頭や首の形状に適応する能力は低いということを意味します。

いくら性能の良い高反発枕を選んだとしても、デフォルトの枕の形状タイプが自分にマッチしていない場合ひどく身体を痛めることとなってしまいます。

言い方を換えれば「枕の選定難易度が高い」というところでしょうか。しかしこれは選び方によってはデメリットを打ち消せますので、フィッティング作業がより要となりそうです。

低反発枕はどんなもの?

低反発枕とは、厳密には「単に高反発枕と反発力が違うもの」というだけの意味合いです。しかし、低反発枕と聞いて多くの人が思い浮かべるであろう "あの枕" が狭義の意味での低反発枕と言えるかもしれません。

Foam Pillow-urethane

よく見かけるこれらの枕のことです

これらはウレタン製枕ですが、そういう意味ではウレタンではない低反発枕もある、となるわけですが、事実上存在するかというと少なくとも私は見たことがありません。

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こちらはニトリの低反発枕。「ウレタンまくら」の表記も確認できます。

このゆったりと沈み込む感じはウレタンでしか表現できないでしょう。

低反発枕のメリット

低反発枕のメリットはなによりその「フィット感」にあると言っていいでしょう。流行し始めた最初期は「首の方が高くなっているその形状」も含めて人気が出ていた印象がありますが、厳密にはそこは低反発枕のメリットではありませんね(むしろ首が乗る部分は比較的硬くあるべきです)。

適度な沈み込みが安定した寝心地を与えてくれるでしょう。

低反発枕のデメリット

低反発枕は沈み込みによって頭(首)へのフィット感を促進するものですので、裏を返すとちょっとの位置修正や寝返りが非常に打ちづらいということにもなってしまいます。

もっと正確に言うなら、「実際には動けないわけではないが、位置がハマりすぎてほんの少しの力で気軽に動かすのが億劫なので結果的に動かない」という感じでしょう。しかも寝ているときの無意識レベルですからなおさらです。

睡眠中の姿勢がずっと固定されたままでいると肩こりや首の痛みにそのまま直結してしまうことは他の記事でも再三申し上げているとおりですので、これは決定的なデメリットと言えるかもしれません。

実際、当サイトで紹介している枕も低反発系は少なめです。下記でも少しご紹介します。

あなたに合った選び方

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以上のことを鑑みて、ご自分の特徴、枕を探している目的などからふさわしい方を検討してみましょう。

以下、いくつか例を列挙してみますが、あくまでも参考程度にご覧ください。そもそも条件が複合している場合の方が普通だと思いますので、その他色々な条件も総合して考えるべきです。

フィット感のある枕が欲しい

おすすめ:低反発枕

しっかり頭を包み込んでくれるようなフィット感、もっと優しく言うなら「もふもふ感」「ふわふわ感」に近いものを求めるなら低反発枕がおすすめです。

寝付きが早く、寝はじめの第一印象を大切にぐっすりしたい方には特に合っていると思います。

高さの調節(特に沈む分を考慮してやや高めにするのがおすすめ)を入念に行うのを忘れずに。

肩こりの改善をとにかく優先したい

おすすめ:高反発枕

枕の購入目的が肩こりの改善や首・背中の痛みの改善の場合は絶対に高反発枕がおすすめです。
上でもちらっとお話しましたが、高反発枕に変えるだけでも改善が見られるケースが多いです。

柔らかい(≒スカスカ)枕に慣れすぎている方は、最初は「こんなに反発が合ったら寝にくくて仕方がない」と思われるかもしれませんが、そこで感じる印象と実際に身体が睡眠中何時間も受ける効果は全く違うものです。

起きたときの快適さに驚いてみてください。

寝返りはあまり打たないほうだ

おすすめ:高反発枕

寝返りをあまり打たない方にも高反発枕は向いていると言えます。「高反発枕にした方がいい」と言えるかもしれません。

なぜなら人より寝返りを打たない分、より頭や首への負荷が集中しますので、それをしっかりサポートするだけの高い反発力が必要になるからです。

低反発枕のデメリットの部分でお話した「寝返りを打ちにくい」ということの裏返しとも言えるでしょう。

寝相が悪いほうだ

おすすめ:低反発枕

この項目はやや逆説的というか、少々ひねくれた考え方かもしれません。

寝相が悪い方は自分が意識をしなくても就寝中の姿勢がアクティブに変わっていきますので、低反発枕のデメリットである「寝返りの打ちにくさ」を打ち消せるかも、という考え方です。

眠りに入っていない状態での低反発枕のフィット感が好きな方は一考の余地があるかもしれませんね。

首が長いほうだ

おすすめ:高反発枕

首が長い方も高反発枕をチョイスした方が無難です。

枕の形は反発力の高低に関わらず色々なものがあるにしても、首が長い分頭の重さがより大きく影響してしまう点を考えると、沈み込みの少ない高反発枕にした方が肩こり等の抑制になると思われます。

首が長い方が高反発枕を選ぶ際は、首が余らない(=しっかり枕との隙間がなくなっている)形状をしているかを入念にチェックしましょう。無理な力がどこにもかかっていないことをよく確認してみてください。

腰痛対策に枕を探している

おすすめ:高反発枕

最後に、腰痛対策で枕をお探しの方にも高反発枕をおすすめしておきます。

腰痛対策に効果があるのはどちらかと言えば枕よりマットレスであることは間違いないですが、そこでも沈み込みの少なさが大切な要因になることを考えると(高反発マットレス)、枕も同じ理論が当てはまることは容易に想像がつきます。

腰の痛みの原因にもよりますが、背中からのラインに負荷が乗っている場合(つまり肩こりや首こりと同じです)、枕の改善によって腰痛に効くケースも十分にあります。腰痛持ちの方は、マットレスと枕をセットで高反発のものに変えてみましょう。

おすすめの高反発枕 / 低反発枕

最後に、おすすめの高反発枕 / 低反発枕をご紹介します。
上でご自分が選ぶべき枕がどちらのタイプなのかよく確かめた上でご覧くださいね。

高反発枕のおすすめ

オーダーメイドで有名なじぶんまくらの「minmaku」(みんまく)

minmaku-jibunmakura
https://jibunmakura.com/minmaku/

「じぶんまくら」と言えばオーダーメイドでとても有名な枕屋さんですが、その測定の過程で得た100万人分のデータをもとに作られた超スタンダードな高反発枕、それが「minmaku」(みんまく)です。

高反発枕の購入に際し不安な点である「自分の身体形状にマッチするか分からない」という点を、100万人分のデータから算出される平均値によって(公式サイトより)払拭してくれています。コスト的にも最も嬉しい方法を選択していると感じます。

高反発枕ですが、見た目通り柔らかなフィット感も確かに同居していて、寝心地はかなり快適です。お値段も比較的低めなのでおすすめです。

ちなみに「やわらかめ」と「かため」の2種類がありますが、ここでは「かため」を基準にお話しています。

肩こり対策で有名な「高反発まくらモットン」

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https://motton-japan.com/lp/makura/

より完璧な肩こり対策を望んでいる方にはこの「高反発まくら モットン」が圧倒的におすすめです。

肩こりに困る人のありとあらゆる悩みを聞いて、その改善のための方法を徹底的に練り上げた枕です。

まず驚きの点として、枕の最重要要素である「高さ」の調節段階がなんと50段階も存在します。付属の高さ調節プレートの組み合わせによって絶対に自分に合う高さに調節できることでしょう。

そして同じくらい重要な要素である「寝返りの打ちやすさ」を、反発力の絶妙な調整によって実現させています。高反発枕なので比較的しっかりした寝心地なのですが、これがまたなんとも言えない快適な寝やすさなんです。

形状も高価格帯の枕らしく、首をしっかりサポートし体圧分散性にも優れた構造となっていますので、この高反発枕も万人におすすめできるものと言えます。肩こりに悩む方はぜひともご検討ください。

低反発枕のおすすめ

低反発枕といったらこれ!「トゥルースリーパー セブンスピロー」

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https://www.shopjapan.co.jp/products/truesleeper/pillow/seventh.html

「枕」と呼ぶにはカバーしてくれる範囲がかなり大きい製品ですが、侮るなかれ、ここに「トゥルースリーパー セブンスピロー」の真髄があります。

低反発枕のデメリットである「沈み込みによる姿勢の維持力のなさ」をお話しましたが、直接的に問題なのは「維持力のなさ」ではなく「それによって生まれる首への負荷」です。

この枕はご覧の通り背中近くまで枕としてのサポート範囲があるので、首や頭だけが沈み込んでしまってそこに刺激が起こる、ということがないのです。

寝心地の良さは想像の通りで、低反発枕特有のフィット感が上半身全体を包み込んでくれます。とても気持ちの良いものですよ。

寝返りの件については不安な点がないとは言えませんので、上述した「ご自分にあった高 / 低反発枕の選択」も合わせてよくご確認くださいね。

独自の凹凸構造とユニークなひんやり機能が快適な「六角脳枕」

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https://shop.ichiban-boshi.com/rokkakunoumakura

なんとも独特な形状をしている枕ですね。しかしこの凹凸構造が自然な寝返りと "ゆらぎ" を与えてくれてびっくりするほどの熟睡を提供してくれます。電車の揺れが妙に心地よく信じられないほど爆睡してしまうことってありませんか?あそこに着想を得た素晴らしい枕です。

また、両サイドの凹部分にはほんの少しだけひんやりとする素材が内包されていて、 "ゆらぎ" によってそこに頭が来た絶妙なタイミングのときだけ温度調節をすることで、ずっと続く快適さを実現しています

見た目は少し高級感がないように感じられますが、このユニークさから寝る寝心地の良さは正直言って本当に驚いて感動しました。私が初めて購入した高額な枕もこの「六角脳枕」です。

低反発枕であるのに加えてやや薄めの設計ですので、首が極端に長い方などは下に別の枕やタオルなどを加えて高さ調節すると良いでしょう。それくらいのことをするだけの肩こり改善力がこの枕にはあります。

まとめ

以前話題になって、枕自体も注目されるきっかけとなったのは「低反発枕」ですが、肩こりなどへの改善効果があるのは「高反発枕」も負けていません。というか現在では肩こりなどの改善が目的なら高反発枕にするべきと私も強く思います

そうは言っても、両者の特徴をよく理解し、実際に店頭で体験してみるなどして自分に合った枕を選びましょう。

「この2択だけでは不安!」という方には、中材を好きな部分に好きな量詰められる「オーダーメイド枕」がおすすめです。枕のオーダーメイドに関しての概要紹介記事もご覧ください。

また、この他にも「安眠くん 」のようなセミカスタマイズ枕(私が勝手に呼んでいるだけです)という、オーダーメイドではなく既成品なのに中材の出し入れができるものも存在しています。

ぜひご自分に合った良い枕を発見して快適な毎日を手に入れてくださいね。