枕探しの中でひとつの指標になるのが「自分の就寝スタイル、寝るときの姿勢」です。

好みの寝方は人によって千差万別ですので、ここを考慮しない枕選びをしてしまうと大きな失敗となる可能性が高いです。

まずは自分の寝方がどうなっているのかをよく理解し、かつそれにふさわしい枕はどういうタイプなのかをこの記事で知っていただければ幸いです。

パターンごとにオーソドックスなおすすめの枕もご紹介いたします。

主な就寝スタイルにはどんなものがあるか?

まずは主な就寝スタイルとはどういうものかを見ていきましょう。固い言い方をしていますが要は「寝方のタイプってどんなのがある?」
ということです。

ずっと仰向け

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「寝る」ことの代名詞とも言える形態でしょう。多くの人がまず仰向けでベッドや布団に入っていると思います。

ただしポイントとして、今回は「ずっと」仰向けかどうかで一応区別してみました。というのも、横向きなど他の寝方が加わるかどうかでその枕が「超ふさわしいのか」はやや変わってくると思っているからです。

仰向け自体はおそらく人間の身体には最も負担のない寝方で、

  • (上下?)左右均等である
  • 重力に任せやすい
  • 首と肩の安定化が行いやすい

などの理由から、肩こり解消などには適していると思っています。しかしそれはあくまでも一般的な人の場合で、「体形など他の要因によってもっと適切な就寝スタイルはある」ということは覚えておくべきでしょう。

基本横向き派

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案外いらっしゃいますよね、横向きでしか寝ない方。

一時期私も横向きでしか寝られないときというのがあって、理由は分からないのですがなんだか横を向いていないと落ち着かない感じがありました。

横向き自体はそれはそれで安定感があって良いとは思うのですが、いかんせん左右非対称となるので片側がしびれたり凝りやすくなったりと注意したい点はありますよね。

しかも、より枕の高さに意識を向けるべきは横向きだと思っていて、ここが適切にセッティングできていないと片側だけ大きく首を痛めたりすることもあるでしょう。

今では私も仰向けベースになっていますが、「身体は仰向けのまま頭だけコロコロ左右を向く」というのが今は一番近い気がしています。次の項目とも繋がります。

仰向けと横向きを同じくらいゴロゴロする

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どうでしょう、統計を取ったら数的にはやっぱりここが一番多いのでしょうか?「仰向けと横向きの二刀流」の方。

おそらくほとんどの方は「最初ベッドインするときは仰向け」で、その後「寝返りを打つ度に横向きになったりまた仰向けに戻ったり」などではないですか?

睡眠学的にもこれは推奨されるスタイルで、寝返り自体が活発に行われるのはとても良いことですし、姿勢に一貫性がないからといって気に病む必要はありません(そもそも寝返り自体は記憶にないだけで必ず発生しているものです)。

そして寝返りは、睡眠段階3或いは4の終了時、レム睡眠に移行するノンレム睡眠期、レム睡眠の終了時に必ず発生することから、睡眠段階を移行させるスイッチのような役割があるのではないかと考えられています。

枕選び的には一番やっかいで、仰向けと横向きどちらにもしっかりと対応したものを選ぶ必要がありますね。

ずっとうつ伏せ

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いますよね、ずっとうつ伏せで寝る方。笑

うつ伏せといっても完全に突っ伏して寝る方はほとんどいないでしょうから、多くはお腹を下にした状態で頭だけ左右どちらかを向いていると思います。

こうなると枕の選び方は本当に難しくて、例えば「高さ」に限って言えば唯一高さ自体がほとんど必要ないとも言えます。

やってみれば分かると思いますが、うつ伏せになった状態では少しでも頭(首)が上がると「うっ」と呼吸が苦しくなるような感覚になります。

当然首にも相当ストレスがかかっており、快適な睡眠環境を用意するのは難しいと思っています。

私がうつ伏せで睡眠を摂った経験がちゃんとないのであまり自信のない情報ではありますが…。

ノンスタイル

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「寝方にスタイルなんて無い、何が起きているかも分からない、とにかく朝になったらまわりはめちゃくちゃになっている」という方たちもいらっしゃるでしょう。無下にしてはいけないと思い、一応カテゴライズさせていただきました。笑

単に寝相が悪いだけならいいのですが、それによって「枕から頭が離れてしまう」ことがあると、用意した枕のメリットが全て失われてしまうどころか全く予期しない姿勢で寝ることになってしまうので、なんとかしたいところです。

良い枕にすることで安眠→寝相が悪くなくなった…という話も聞いたことはありますので、まずはそういう意味で枕を買い替えてみるのもありかもしれません。

寝方ごとにおすすめの枕

というわけで、ここからはその「寝方ごと」にどういう枕がふさわしいのか、私の考えをまとめてみます。

今回の話の範囲だと、今まで色々な枕を触ってきた私とはいえ、あくまでも主観的な意見となることをご承知おきください。

先ほどのスタイルごとに紹介してみたいと思います。

ずっと仰向け

仰向けがほとんどの方には最もシンプルなタイプの枕が合っていると言えます。

シンプルとは、

  • 横方向での形状の変化がない
  • 色々な種類の中材を使っていない
  • 特異な形状・機能を持っていない

などを主に指しています。

「横方向での形状の変化がない」とは、例えば分かりやすいイメージで言えば

Foam Pillow-urethane

こういうもので、「横向きで寝ることを考慮する必要がないから左右端での形状の変化が必要ない」ということですね。そういう意味ではサイズも小さくていいと言えるかもしれません。

「色々な種類の中材を使っていない」に関しては、別に種類数が多いと悪いというわけではもちろんなく、仰向けでしか寝ない方にも中材が複数あることには越したことはないと思います(例えば首元はパイプ系などで硬め、頭はビーズ系で小さく柔らかめなど)。

このように、横向きで寝ることを考えなくていいと、枕選びは途端に制約が減ります。

例えば、

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こういう枕の代名詞とも言えるような形状、「ふっくら枕」も楽しめるでしょう。

色々考えてみましたが、今回仰向け用としておすすめするのは「スージーAS快眠枕」にしました。

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やや高さがある枕なのですが、最大の特徴はその高さと首の形状(首も高めな設計なのですが)によって気道が確保され、呼吸が楽になることで圧倒的な快眠ができるというもの。

いびきの改善などの目的で、スムーズな寝返りを促すように横向き寝用の機構も両サイドに設計されているのですが、あえて仰向け用で今回選んだのは仰向けのときが最もハマりがよく寝心地が良いからです。見た目通り、中央のへこみ(3次元形状センターバンクと呼んでいます)にとてもスッキリ頭を乗せられます。

わりとユニークな形をしているのにも関わらずどこか上品な感じがあるのも素敵。表面もとっても肌触りが良いですよ。

基本横向き派

横向きがメインの方は意外と多いとはいえ、全体で見たら少数です。特に本当に横向きだけの方は。

しかし、そういった方のために作られた「横向き専用の枕」というものは存在しています。その名も「YOKONE3」。

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この枕は「横向きで寝ることに特化した枕」で、睡眠障害などのためにも開発されてきたものです。最初から仰向けで寝ることは想定されていません(別に問題なく寝られると私は感じていますが)。

横向きがメインの場合、寝返りによって横向きになるわけではないので中央だけへこませたりする必要はありません。

つまり

  • 全体的に高さが保たれている
  • 肩の高さによって生じる無駄なスペースを上手く吸収する

などによって非常に快適に眠れるようになります。

さらにこの「YOKONE3」は横向きになったときに困りがちな「腕の置き所」まで考慮されているのが推しポイントです。かなり寝やすいですよ。

横向きで寝ることに関してどのようなメリットがあるかなどは下記記事でも説明していますので、興味がある方はぜひお読みください。

仰向けと横向きを同じくらいゴロゴロする

一番人数が多いと思われるこのカテゴリーは、おすすめできる枕の幅も最も広いです。

キーとなるのは「仰向け時と横向き時に姿勢・頭の位置・頭の向きが変わること」で、

  • 潰れにくく反発傾向のある枕
  • 全体的なサイズ(特に横幅)は大きいほうが良い
  • 中央より両サイドの方が高くなっているべき

などが選ぶべきポイントとなってきます。

とは言ってもそこまで難しく考える必要はなくて、一般的におすすめされている枕ならほぼ問題なくマッチすると思います。

例えばこんなのはいかがでしょうか。ニトリの「高さが10ヶ所調整できる枕(パイプ)」

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比較的にもかなり安価ですがこの枕の持つポテンシャルは素晴らしいものがあり、かなりシンプルなその構造を持ちつつの高機能さゆえに、万人におすすめできる枕です。

横幅がありながら左右もしっかりふっくらしており、寝返りを打ったときの寝心地もバッチリだと思います。

もちろんこの枕の最も優れた部分である「全体としての高さ調節&部分ごとに中材のカスタマイズでの高さ調節」もあなたの眠りによりマッチしてくれることでしょう。

一番人数が多い就寝タイプだと思いますのでここはもうひとつご紹介。

浅田真央さんを採用した大々的なテレビCMでも有名な「エアウィーヴ」から「エアウィーヴ ピロー スタンダード」です。

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エアウィーヴの最大の特徴は独自開発された「airfiber(エアファイバー)」という中身の素材で、

  • 圧倒的な反発力
  • 圧倒的な通気性

この2つが全ての寝具において快適さを与えてくれます。ジャンル的には「高反発ファイバー」という中材にカテゴライズされます(あまり他にこのタイプの枕は多くないですが)。

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これ、落としているのはなんとボーリングの球ですよ。信じられない反発力があることが分かります。

肩こりをなくすためには首に過度な負担を与えない→そのためには頭と首をしっかりサポートする、という肩こり解消の枕選びのためには最も大事な点をしっかりクリアしている点がまずポイント。

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そして通気性という意味では前述のテクノジェルを上回るかどうかというほどのクオリティがあります。というのも、ご覧の通りファイバー性の素材は密度が緩く空気を多く含むので(90%近く)、それだけで既に通気性が抜群なのです。

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なのでこんな風にシャワーで丸洗いすることができてしまいます。洗濯はおろか、こんなに気軽に中身を手洗いできる枕は他にほぼありません。

首元に独特な形状があったりすることはありませんが、首の負担を和らげる「反発力」と、快眠に一番欠かせないとも言える「通気性、ムレなさ」を兼ね備えたこの「エアウィーヴ」は相当おすすめな枕だと思っています。

ちなみに今回中でもこの「エアウィーヴ ピロー スタンダード」というモデルを選択した理由は、

  • 「寝心地としての硬さ」は万人向けではないので「S-LINE」モデルは除外
  • 全体的に柔らかすぎるとそもそもの目的である肩こり解消度の低下の恐れがあるので「ソフト」モデルは除外

などのような感じです。やはり迷ったら「エアウィーヴ ピロー スタンダード」がおすすめです。

日本のメーカーということで純国産なのも見逃せないポイントですね。滋賀県に大きな工場があるそうです。

ずっとうつ伏せ

項目を用意してみたは良いものの、これに関しておすすめの枕の選び方は正直思いついていません…。というかなくてもいいくらいです。

やってみるのはもちろん、想像していただくだけでも分かると思うんですが、うつ伏せになったときって身体のベッド面と顔の横の面がほぼ水平になるので、高さはあまり必要ないんです。あっても手のひら1枚分とかでちょうどいいんじゃないでしょうか。

むしろ普段使っている枕でそのままうつ伏せで寝ることだけはやめましょう。かなり辛いと思います。

と、いうわけで、極薄の枕を紹介してみます…。普段はこのようなタイプは全く勧めていないですが…。

ネットや雑誌で大人気の「王様の夢枕」シリーズから、ちょっとマイナーな「王様の夢枕ミニ」です。

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もともと「ムニュふわ」というもっちりで独特な感触が特徴のシリーズなのですが、その中でも高さが低いものがこれです。

もともと柔らかめであることに加え、サイズも無駄に大きくないことも相まってうつ伏せ時になんとなく頭を預けるのには向いているかと思いチョイスしてみました。

写真だとかなりふっくらしているように見えますが、高さの公称値は4~5cmほどで、実際には本当にちょうど良いくらいになるはずです。反発力も強くないのでしっかり沈みます。この機会に限りここはメリットとなるでしょう。

ノンスタイル

こちらの方が私が困るかとみなさん予想しておられることでしょう。否、ここは初めからご紹介する枕は決まっていました。「テクノジェルピロー」です。

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「寝方に決まった型がないなら逆に最もシンプルであるべき」という考え方に加えて、どんな寝相にも動かないくらいの安定感のある枕という意味でもうこれ一択だと思います。

この「テクノジェルピロー」はもともと有り得ないほどのポテンシャルを持っている枕で、私のサイトでもベスト3に入るくらいでおすすめしている枕です(相手によっておすすめする方向は多少変わりますので)。詳しいレビュー記事は以下です。

実は買ってみないと分からないこのテクノジェルピローの大きな特徴がその「重さ」で、なんと2kgくらいあります。これだけ重いと枕が勝手にどこかへ行ったりすることはまずないでしょう。笑

実は色々ラインナップがあるのですが、今回の趣旨としても最も万人向けのオーソドックスなタイプである「コントアーピロー」かさらに「どんと来い」感のある「デラックスピロー」です。

寝相の悪さなどで枕の扱いに困っている方は一度試してみてはいかがでしょうか。

肩こりや首の痛みに本気で困っている方には…

ここまでは「就寝スタイルごとに枕を選ぶ」ということの一例をやってきましたが、肩こりや首の痛みで本当に悩んでいる方は、こういった甘い選び方では現状は打破できません。

肩こり解消に特化した枕を購入して、それにふさわしい寝方をする!くらいの意気込みが必要と思った方が良いです(実際にはそれぞれの寝方にある程度適した選択肢があります)。

というわけで、私がこれまでに関わってきた枕の経験をもとにした「肩こりや首の痛みに効果のある枕のおすすめ7選」という記事がありますので、ぜひお読みになってください。

今回の記事でもかなりお値段が高い枕が登場していますが、「枕が合わない」という現象はしっかりと調査をして購入した高級品ならまず起きないと思っていいと思っています(個人的な意見です)。

最初は慣れなくても必ず効果は出てきますから、まずは安心して寝てみてくださいね。

おわりに

結構大切な内容というか気になる人が多い話題かと思うのですが、思い返してみるとこういう記事はまだ書いていませんでした。

無理矢理にこういうカテゴライズはしてみたものの、実際には人の寝方なんて千差万別ですよね。それこそ同じ人でもそのときの体調や環境などによっても変わるでしょう。そういう意味で「常に自分のスタイルに合った枕」というものは夢物語かもしれませんが、それを把握しておくのは必ず意味があると思います。

ご自分の寝方がよく分からない方は、いい機会だと思って普段一緒にいる方に聞いてみるのもおもしろいかもしれないですね!